乳がんと診断されるまで|小さな違和感から目を逸らさないで【Episode 1】

INTRODUCTION

乳がんは早期発見が重要だと言われています。そのために定期的に検診を受けることがとても大切です。

私自身も、毎年1回の人間ドックで検査を受けています。だからどこかで、「毎年ちゃんと検査を受けているから、大丈夫だろう」と思っていました。

でも、私が乳がんを発見するきっかけになったのは、検診の結果ではなく、自分の指先で感じた小さな違和感でした。

01|左胸にあった、小さなしこり

実は、乳がんと診断されるより前から、左胸にしこりがあることには気づいていました。

触ると、確かに何かがある。でも、人間ドックでは特に異常を指摘されませんでした。マンモグラフィーもエコー検査も受けていたので、「検査で何も言われなかったのだから、大丈夫なんだろう」と思い、そのままにしていました。

痛みがあったわけでも、見た目に異常があったわけでもありません。今振り返ると、自分の中にあった小さな気づきよりも、「検査で問題なかった」という安心感のほうを信じていました。

02|8か月後、「前より大きくなっている」

それから約8か月後。いつものように下着を着けていたとき、ふと指先が左胸のしこりに触れました。

「あれ? 前より大きくなっている」

そのときは、単なる気のせいというより、自分ではっきり分かるくらいの変化を感じました。

それでも、すぐに病院へ行ったわけではありません。しこりの存在は明らかだったものの、どこかで「乳腺症のようなものかもしれない」と考え、数日間はそのまま様子を見ていました。

03|家族のひと言が、病院へ行くきっかけに

数日後、家族に何気なく「胸にあるしこりが前より大きくなっている気がする」と話したところ、

「直ぐに病院で検査してもらったほうがいい」

と言われました。今思えば、この一言が私を病院へ向かわせてくれました。

病院では、まずエコー検査、2週間後にMRI検査を受け、左胸に悪性を疑う所見が示されました。その翌週には、しこりがどのような病変なのかを詳しく調べるため、針生検を受けました。

そして、更に翌週。仕事へ向かう支度をしていた朝8時前、病院から電話が突然かかってきました。

「結果は、乳がんです。今日病院へ来てください」

しこりの変化に気づいて病院を受診してから、診断までは約4週間。ほんの数週間で、日常が大きく変わっていきました。

04|検診を受けているから大丈夫、ではなかった

定期的に検診を受けることは、今でもとても大切だと思っています。ただ、自分の経験を通して感じたのは、

「検診を受けているから大丈夫」と思い込まないことも大切

だということです。

また、検診と検診の間にも、身体は変化しています。

針生検では、がん細胞の増殖速度を推定する「Ki-67陽性率」という数値も確認されます。私の場合は50%と高く、医師からは、増殖の勢いが強いタイプだと説明を受けました。

つまり、人間ドックを受けてから数ヶ月の間にも、比較的速いスピードで増殖していたということです。

検診はもちろん大切ですが、それと同じくらい、自分だけが気づける変化に目を向けることが大切です。

05|「いつもと違う」を、そのままにしないで

この記事で伝えたいのは、「しこりがあったら乳がんです」ということではありません。胸のしこりにはさまざまな原因がありますし、気になる症状が必ず悪性というわけではありません。

でも、「何かいつもと違う」と感じたとき、その変化を自分の中だけで打ち消さないでほしい。 これは、自分の経験を通して強く思うことです。

「この前の検診では大丈夫だったから、気のせいだ」「もう少し様子を見てもいいかな」「きっと大したことはない」「今は忙しいから落ち着いてから検査に行こう」。そう考えたくなる気持ちは、私にもよく分かります。

それでも、少しでも気になる変化があるなら、放ったらかしにせず、なるべく早く医療機関で相談する、それが最も大切です。


REFERENCE|参考情報
乳がんに関する情報について、詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
国立がん研究センター がん情報サービス

※この記事は、私自身の経験をもとに書いています。症状や治療内容、経過は一人ひとり異なります。内容は一つの体験談として参考にしていただき、医療に関することは主治医や医療機関などの専門家にご相談ください。

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