乳がん手術後の放射線治療|毎日の通院を約1ヶ月【Episode 4】

INTRODUCTION

乳がんの手術後、私は放射線治療を受けました。

放射線治療は、1回ごとの治療時間は短いものの、平日は毎日通院する必要があります。私の場合は全20回。約1か月にわたって、朝病院へ行き、治療を受けてから仕事をする生活が続きました。

治療そのものは想像していたよりもあっという間でしたが、回数を重ねるにつれて皮膚に変化が現れたり、毎日通院することを長く感じたりすることもありました。

今回は、放射線治療がどのように進んだのか、仕事とどのように両立したのか、そして実際に感じた身体の変化についてご紹介します。

01|手術後の放射線治療

私は、手術後に放射線治療を受けることになりました。手術でがんを切除したあと、残った乳房内での再発リスクを下げることを目的に行う治療です。

手術を受けた病院には放射線治療の設備がなかったため、近くの別の病院を紹介していただき、放射線治療の期間だけそちらへ通うことになりました。それまで治療を受けてきた病院から一時的に離れ、初めての病院、初めての医師のもとで治療を受けることには、最初は少し不安もありました。

ただ、実際に通い始めると、医師、看護師、放射線技師の方々が連携して治療を進めてくださり、安心して通うことができました。特に看護師さんは、副作用やその日の体調について丁寧に確認してくださり、その穏やかで親切な対応に何度も安心させられました。

02|治療が始まるまで

放射線治療は、すぐに照射が始まるわけではありません。主治医から共有された検査結果などをもとに、放射線をどこに、どの角度から、どのように照射するのかを決めるための治療計画を作成します。

治療時の身体の位置も細かく決められ、照射する位置がずれないよう、皮膚には目印となる印がつけられました。

治療時間は病院の空き状況に合わせてある程度希望を出すことができたため、私は仕事への影響をなるべく少なくするため、朝8時30分からにしていただきました。

放射線治療を受けてから家に戻って仕事を始める。しばらくの間、それが私の平日のルーティンになりました。

03|実際の治療は、驚くほどあっという間

治療室に入ると、治療計画を立てたときと同じように仰向けになり、両腕を頭の上に上げます。事前に決めた照射位置からずれないように、放射線技師の方々が身体の位置や傾きを少しずつ調整してくださいます。位置が決まったら、そのまま身体を動かさずに治療を受けます。

治療室に入ってから出るまででも10分程度。

その中で、実際に放射線が照射されている時間は、私の感覚ではほんの1分ほどでした。

大きな放射線治療の機械を初めて目にしたときは少し緊張しましたが、始まってしまえば、「もう終わったの?」と思うくらい、毎回あっという間でした。

04|心配していた「腕を上げること」

放射線治療について事前にインターネットで調べていたとき、気になったことがありました。それは、手術後の腕を長時間上げるのがつらかった、という経験談です。

放射線治療では、両腕を頭の上まで上げた状態で身体を固定する必要があります。手術直後の私は、手術をした側の腕を十分に上げることができなかったため、「この体勢を取れるようになるのだろうか」と不安に思っていました。

ただ、私は手術後からピラティスを通して少しずつ腕の可動域を取り戻していました。放射線治療が始まる頃には両腕を問題なく上げられるようになっていたため、この点で困ることはありませんでした。

このとき初めて、手術後に少しずつ身体を動かし、可動域を取り戻しておいてよかったと実感しました。

05|少しずつ現れた皮膚の変化

放射線治療の副作用には個人差があります。私の場合、最もはっきり現れたのは、照射した部分の皮膚炎でした。

最初の頃はほとんど変化を感じませんでしたが、照射回数を重ねるにつれて、照射している範囲の皮膚が日焼けをしたように赤黒くなっていきました。

特に13回を過ぎた頃から変化が目立つようになり、ヒリヒリとした痛みやかゆみも感じるようになりました。すべての照射を終えたあとに皮膚の反応が最も強くなり、一部は皮がむけるようになりました。

その後は少しずつ落ち着き、私の場合は1~2か月ほどかけて徐々に改善していきました

06|保湿を、毎日の習慣に

治療中、看護師さんから繰り返し言われていたのが、「とにかく保湿をしっかりしてください」ということでした。私は身体に塗るようの化粧水と保湿クリームを病院にも持っていき、治療後、昼、夜と、できるだけこまめに保湿するようにしていました。

放射線が当たる皮膚は治療が進むにつれてとてもデリケートになっていくため、保湿だけでなく、できるだけ摩擦を避けることも意識しました。

肌に直接触れるものは、締め付けが少なく、柔らかい素材のものを選ぶようにしていました。

07|振り返ればあっという間。その最中は、とても長い

今振り返ると、放射線治療を受けていた約1か月は、あっという間に過ぎたように感じます。けれど、治療の最中はまったくそうは思えませんでした。

1回の治療そのものは、とても短い時間で終わりますが、毎日病院へ通い、それを何週間も続けていると、時間の流れはずいぶんゆっくりに感じます。

「まだこれだけ残っている」

そんなふうに、残りの回数を何度も数えていたことを覚えています。

そして、最後の日を迎えた時には、看護師さん達からも「毎日、本当にお疲れ様でした」と笑顔で温かい声を掛けて頂き、やっとマイルストーンの一つを無事終えることができたとホッとする気持ちになりました。長く感じていた時間も、毎日の小さな積み重ねの中で少しずつ進んでいったのです。


REFERENCE|参考情報
乳がんに関する情報について、詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
国立がん研究センター がん情報サービス

※この記事は、私自身の経験をもとに書いています。症状や治療内容、経過は一人ひとり異なります。内容は一つの体験談として参考にしていただき、医療に関することは主治医や医療機関などの専門家にご相談ください。

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